片付けられない原因は5つ
片付けが苦手でも部屋が片付く方法(プロ監修)
| 片付けられない・捨てられない・戻せない…悩みの原因は5つ。整理収納のプロが、目的の決め方から捨て方・片付けの順番・習慣化まで具体策を解説 |
はじめに
| 「うまく片付けられない…」 その悩みは、意志が弱いからでも、性格がダメだからでもありません。 私はこれまで、片付けが苦手な方、収納がうまく作れず長年ストレスを抱えてきた方、そして「ゴミ屋敷から脱出したい」と心から願う方まで、多くの現場に立ち会ってきました。 そこで確信したのは―― 片付けが進まない人には“共通する原因”があり、対策も決まっているということです。 この記事では、片付けが苦手な人に多い「5つの原因」と、今日からできる具体策をお伝えします。 片付けは、部屋を整えるだけではありません。迷いながらも決断できた経験が、自信を取り戻してくれます。 |
この記事でわかること
| •片付けが進まない「5つの原因」 |
| •捨てられない心理の扱い方 |
| •片付けの正しい順番(どこから?何から?) |
| •「使ったら戻す」を習慣化するコツ |
| •特性(ADHD傾向・気分の落ち込み等)に配慮したやり方 |
目次
原因1:片付ける目的・目標が決まっていない
| 「片付けたいから片付ける」 もちろん、それでもいい。けれど、目的が曖昧なまま部屋全体に手をつけると、途中でこうなりがちです。 • 「ある程度片付いたし、もういいか」 • 「少し空いたから、まっいいか」 疲れや諦めが先に来て、手が止まる。 だから最初に決めたいのは、これです。 |
| @片付けには目的と目標があったほうがいい |
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| 目的を決めるときは、次の3つを考えてみてください。 • どんな部屋にしたいのか • どんな暮らしにしたいのか • どんな自分になりたいのか たとえば、 • 「散らかったことでイライラしたくない」 • 「帰宅したら当たり前に片付いている家にしたい」 • 「人を呼んで、くつろげる家にしたい」 • 「人生を変えたい。私でも“できる”と自信を持ちたい」 ここまで出たら、次は“目標”へ落とします。 • 「玄関とキッチンは、常にきれいにする」 • 「リビングボードには“好きな写真だけ”飾る」 • 「脱衣所はタオルが“サッ”と出る状態にする」 • 「どこに何があるか、すぐ分かるようにする」 目標が決まると、理想と現実の差が見えて、やるべき場所が絞れます。 そして何より――途中で写真を見つけて手が止まる、雑誌を読み出して止まる、が減ります。 目的・目標を持って片付けることは地味。でも、実は一番大切。 現場でも、目標が明確な方ほど判断が速く、片付くたびに表情が変わっていきます。 |
今日の一歩(5分)「どんな暮らしにしたい?」を1行だけ書く
| Aやりたい事を紙に書き出してみる |
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| 「目標作りって難しいな」と思っていませんか? そんなときは「気になること、やりたいこと、理想の形を」具体的に書き出してみましょう。 誰かに見せるものではないので、ルールはいりません。 大きいことや小さいこと、すぐにできること、お金がかかることも全部ごちゃ混ぜでいいんです。 ・押し入れの要らないモノを捨てる ・廊下に出しっぱなしの服を洗う ・冷蔵庫の賞味期限切れを処分する ・着ない洋服をまとめてリサイクルに持っていく ・気に入ったソファーを買う ・ベッドの位置を移動する ・溜まったダイレクトメールを捨てる ・ほこりをかぶったポストを拭く 上記のように書き出したら、すぐにできそうなところから優先順位をつけ、実行後は消していきましょう。 ここまでで、少しずつ目標が明確になってきましたね。 |
今日の一歩(10分)“やることメモ”を3つだけ書いて、1つだけ消す
| B 本を読むなら「1冊だけ」を目標に真面目に取り組む |
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| 片付けが苦手な方の家に行くと、片付け本が何冊もあることが少なくありません。 不思議ですが、冊数と散らかり具合が比例していることがあるんです。 片付け本は多種多様。 大切なのは「納得できるやり方を、まず1冊だけで実践する」こと。 途中で「違うな」と思ったら、いったん止めて別の方法に切り替えればいい。 でも最初から複数を混ぜると、迷って“読んだだけ”になりやすいのです。 |
今日の一歩(3分)片付け本を「今やる1冊」以外いったん別の場所へ
原因2:モノが捨てられない
| なぜ捨てられないのか。 ここを扱えると、一気に進みます。 |
| @もったいなくて捨てられない |
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| • 「また着るかも」 • 「高かった」 • 「まだ1回しか着てない」 “もったいない”と思いながら、実はそのモノがあなたを苦しめ、片付けを邪魔していることもあります。 収納以上にモノがあれば、溢れるのは当然です。 最後までやり切る方は、目標を思い出しながら 「捨てる/残す」の判断をしていきます。 迷いながらも、こう言いながら決めるんです。 「これをしないと現状は変わらない」 「きれいになったら、今度は好きなのを買う」 |
今日の一歩(15分)“明らかに不要”を10個だけ袋へ
| Aモノへの「想い」が捨てられない |
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| 「思い出があって捨てられない」 それは、モノではなく“想い”を手放せない状態です。 子どもが成人して家を出ていても、小学生の頃のプリントが捨てられず、段ボールが20箱近くになっていたお客様がいました。 ある時、新しい生活が始まるタイミングで 「段ボールを処分します。手配してください」 と晴れやかな顔で言われたんです。人生が前に進む瞬間でした。 思い出は、量ではありません。傑作だけを残す。 写真も作品も、厳選してこそ価値が上がります。 |
今日の一歩(10分)思い出箱を1つ用意し、「ここに入る分だけ残す」と決める
| B人にもらったモノが捨てられない |
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| 捨てられないあなたは、きっと優しい。 でも、そのモノがあなたを嫌な気持ちにさせているなら、贈った相手も本当は望んでいないはずです。 あなたが渡したお土産が、相手のストレスになっていたら…? きっと「気にしなくていいよ」と思うはず。 受け取った時点で役目は終えている。 手放す時も「ありがとう」でいい。 |
今日の一歩(5分)「ありがとう」と言って、手放す候補を3つだけ分ける
| C捨てたら罰が当たるかも…と思うと捨てられない |
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| お守り、人形、写真などは不安が強く出やすいもの。 その場合は“気持ちが落ち着く方法”を選びましょう。 • お守りは購入元(神社・寺)へ返納する • 人形は人形供養をしてくれる寺社へ • 写真も供養を受け付ける場所やサービスがある • 自治体のルールに従い、気持ちが落ち着く形で処分する(塩・紙で包む等は「自分が安心できる」なら) 大事なのは、気持ちが納得する手放し方です。 |
今日の一歩(5分)「返納・供養・保管」どれにするか、1つだけ決める
| D売る・あげるも考える(罪悪感を減らす) |
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| 捨てる罪悪感が強い方は、引き取ってもらうと気持ちが軽くなることがあります。 ただ、現実として「引き取り手が見つからない」ことも多い。期待しすぎないのがコツです。 • 洋服は1〜2年 • 家具は2〜3年 など、状態と年数で値がつきやすい傾向があります。 宅配買取などは、自宅から出せるので相性が良い方もいます。 (※サービス名を出すなら、記事末尾にまとめて“おすすめ例”として整理すると読みやすいです) |
今日の一歩(15分)「売る箱/譲る袋/捨てる袋」を3つ作る
原因3:片付け方がそもそも分からない
| 「どこから?何から?」で止まる人は多いです。 床にモノが溢れている部屋は、処分と移動が必要になり、難易度が上がります。 |
| @片付けは“小さな場所”ではなく“大きな場所”から |
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| 「小さなところから…」は整理の練習にはなります。 でも本気で片付けるなら、大きい場所から小さい場所へが最短です。 • 倉庫 • 押し入れ • クローゼット • パントリー(食品庫)など 大きな場所が空くと、移動先ができ、次が進みます。 現場の話:一生片付かないと思っていた部屋が、1日で片付いたA様 最初に見た部屋は、収納容量の5倍ほどのモノ。 さらに2階の一室には、その倍近いモノがありました。 お客様は「そこはもう無理」と諦めていた。 でも私は言いました。 「この部屋からやりましょう」 目標が明確だったので判断が速く、サクサク進んだ。 後日、「2階から始めてよかった。意味が分かりました」と言われた時、こちらが救われました。 |
今日の一歩(10分)家の中で“いちばん大きい収納”を1つ決める(今日触るのは1段だけでOK)
| Aモノのグループ分けが出来ない |
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| 残すモノが決まったら、次は「仲間分け」です。 苦手な方ほど、カテゴリーが曖昧なまま“とりあえず置く”になりやすい。 コツはこれ。 • 使う場所の近くに、仲間をまとめる • 家族の動線を考えて「戻しやすい場所」に置く • “よく使う”ほど、出しやすくする |
今日の一歩(15分)同じ用途のモノを“床に一度集めて”から戻す(集めるだけでも前進)
原因4:「使ったら戻す」ができない
| @「片付ける」ってどういうこと? |
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| 片付けとは、元の場所に戻すことです。 整理して分け、収納で「使いやすく戻しやすい」場所に納める。ここまでが整理収納。 片付け(戻す)は、生活している人にしかできません。 暮らしてみて「ここ使いにくいな」と思ったら、微調整すればいいんです。 |
今日の一歩(3分)“戻す場所が決まっていないモノ”を1つだけ決める
| A使ったら戻すは、慣れるまで3か月 |
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| 「使ったら戻す」を続けたら、生活が軽くなった――そんな方は多いです。 最初の数週間は意識が必要。でも、慣れると「きれいが当たり前」になっていきます。 そして逆に、散らかった時に “ちょっと嫌だな” と感じるようになったら、片付け体質が育ってきた証拠です。 |
今日の一歩(1分)「戻す」を1回やったら、自分を褒める(ここ、地味に効きます)
原因5:性格とその人の特性(ADHD傾向/気分の落ち込み等)
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| 私は今、仕事として片付けをし、講演会やセミナーで話しています。 でも、もともとは片付けが苦手でした。 だからこそ、できない人の気持ちが分かると思っています。 ※ここから先は一般的な傾向としての話です。診断や治療の判断は医療の専門家にご相談ください。 |
| @散らかっていても気にならない性格 |
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| • またすぐ使う • 明日使う • 近いうち使う これが続くと、出しっぱなしが常態化します。 対策は「仕組み」に寄せること。 • 取り出しやすく • 納めやすく • そして“戻しやすく” さらに厄介なのが「ゴミを出さない」ケース。 袋に入れてあるのに出していない…という方もいました。 ゴミは溜まるほど面倒になります。 |
今日の一歩(10分)ゴミ袋を1つだけ、玄関の最短ルートへ
| AADHDという個性がある方 |
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| 「気持ちはあるのに片付けられない」 本人のせいではないことで苦しんでいる方もいます。 特徴として挙げられることの例: • 忘れ物・なくし物が多い • 時間管理が苦手 • 順序立てが苦手 • うっかりミスが増える • 気が散りやすい など 程度は人それぞれで、当てはまる項目があっても“それだけで決まる”ものではありません。 ただ、傾向がある方は「仕組み」で助けると、生活が楽になります。 |
| BADHD傾向のある方へ:片付けの現実的アドバイス |
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| • モノを多く持ちすぎない(管理コストが爆上がりする) • 今日やることをメモに書く(優先順位のズレを補正できる) • 完璧を目指さない(細かすぎる分類は続かない) • 抱え込まないで人に頼む(一人で詰む前に) • 分かりやすくする工夫(ラベル、定位置、透明容器など) 究極はやはり、モノが少ないこと。 “見つけられない→また買う”の悪循環を止められます。 |
今日の一歩(15分)「細かく分けない」宣言。まずは大分類(衣類/書類/キッチン等)でOK
| C気分の落ち込み(うつ等)で片付けられない方 |
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| 「色々あって、こんな部屋になりました。今は回復してきたので片付けたい」 こうしたご依頼は少なくありません。 気分が落ちている時は、やる気や集中力が出にくく、計画も立てづらい。 だからこそ、無理は禁物です。 でも、回復期に“できる範囲”で片付けに取り組むと、 変化が目に見える分、心にも良い影響が出ることがあります。 • 1日目できても、2日目は休む • 15分だけ • 今日は1袋だけ このくらいで十分です。 |
今日の一歩(5分)“目に入ってつらい場所”を1か所だけ、1つだけ減らす
まとめ:片付けは「部屋」ではなく「人生の手綱」を取り戻す練習
| 今回は、片付けができない方に多い原因を5つご紹介しました。 そして、それぞれの対策も具体的にお伝えしました。 片付けの優先順位は、健康や家族、仕事、お金、人間関係より下の方かもしれません。 でも―― • 今日から一人でできる • すぐに結果が見える • 決断の練習になり、自信がつく それが片付けです。 部屋がきれいになって気持ちいい。 それ以上に、迷いながら下した選択や決断は、もっと気持ちいい。 |
もし「一人だと進まない」なら
| • セミナーや講座で、片付けの考え方と手順を学ぶ • 片付けサービスで、プロと一緒に“仕組み”まで作る • 「ゴミ屋敷から抜け出したい」など深刻な場合は、早めに伴走をつける あなたに合う方法で大丈夫です。 大事なのは、最初の一歩を“今日”に置くこと。 |




















